フリーランスの私が再就職手当をもらった話

脱サラ

皆さん「失業保険」ってご存知ですか?急なリストラにあったりして職を失ってしまった場合に、毎月一定の失業給付金がもらえる制度です。

でも「再就職手当」をご存知の方はそこまで多くはないと思います。そこで今回は再就職手当についての説明と、再就職せずに個人事業主となった私が再就職手当を貰うに至った経緯についてお話しします。

再就職手当とは

そもそも再就職手当というのは何かという説明を最初にします。

本来、雇用保険に入っている状況で失業すれば、90日〜330日(人によって条件は異なる)の期間、毎月失業手当を貰うことができます。ただ当然、国としてはとっとと再就職して社会復帰してもらいたいという思いがあります。

そのため、

失業手当を貰える期間が残っている間に就職すれば、本来もらえるはずの残りの失業手当の6,7割を一括で支給する

という制度があります。これが再就職手当です。

6,7割じゃなく満額欲しいので失業手当を貰い続ける!

という人もいるかもしれませんが、私はとっととフリーランスとして働いて高収入を得る方が経済的にメリットが大きいと判断し、再就職手当を貰うことにしました。

再就職手当の額はそれまでの給料や年齢、自己都合退職か会社都合退職かで変わってきますが、私の場合はざっくり40万円弱貰うことができました。しかもこれは非課税なのでかなりお得です。

会社を辞めてすぐフリーランスになるのも良いですが、退職してから1,2ヶ月ほど準備して起業される方は是非再就職手当を貰うことをオススメします。

個人事業主が再就職手当を貰うまで

ただこの制度、ある程度のお金は貰えますが、受給できるまで少し時間がかかります。ここでは私のように、自分の都合で会社を辞めてフリーランスになる人の再就職手当を貰うまでのステップを紹介します。

また各管轄のハローワークによって対応が異なる事があるため、不安なことがあればご自身の管轄のハローワークに電話で聞いてみてください。

再就職手当受給までの流れ
  • STEP1
    退職

    会社を退職。

  • STEP2
    離職票の受取

    退職日から12日以内を目処に会社から離職票が送られてきます。

  • STEP3
    失業保険の申請

    離職票を持ってハローワークに行き、失業保険の申請を行います。12日待っても離職票が届かない場合は仮申請をすることもできます。←私も仮申請しました。

    この段階では、起業するつもりでなく、あくまで失業したので求職しながら失業保険をもらう体でいてください。

    「起業することもちょっと考えています。」程度ならOKです。

  • STEP4
    待機期間

    申請してから7日間の待機期間があります。

  • STEP5
    認定日

    ちゃんと求職活動していますということをハローワークに行って報告します。

  • STEP6
    起業の意思を伝える

    STEP4の待機期間終了から1ヶ月経過したら、ハローワークに個人事業主になる意思を伝えます。

    この時大事なのは、あくまで待機期間終了後から1ヶ月間は求職活動をしており、1ヶ月経過後に「起業しよう」と意識決定をした体でいることです。

    最初から再就職手当を貰うつもりで、求職活動も全くしていませんでしたという人は厳密には再就職手当の受給資格はないためです。

    そのため、私もハローワークに私の情報を登録し、優良企業から声が掛かればそちらにいけるような状況にしていました。

    また同様の理由でこの1ヶ月で事前に起業の準備をすることもアウトなので気をつけてください。

    再就職手当含め失業保険の不正受給は3倍返しなので注意してください。

  • STEP7
    各種書類の提出

    個人事業主として活動する事を決めた後は、実際に個人事業主として活動している証拠をハローワークに提出する必要があります。私は以下の書類を提出しました。

    • 開業届
    • 青色申告承認申請書
    • フリーランスエージェントとの契約書
    • 事業を開始するにあたって購入した備品(PC)の領収書
  • STEP8
    事業継続の確認

    再就職手当を受給するには、1年間を超えて雇用される見込みがある必要があります。そのため、個人事業主の場合は安定して事業を継続できているかの確認の電話があるので、事業を継続している旨を伝えます。また提出した書類について不明点があればいろいろ聞かれます。(書類提出後1ヶ月後くらい?)

  • STEP9
    受給

    審査に通れば、事前に指定していた銀行口座に再就職手当が振り込まれます。
    (事業継続の確認後1ヶ月くらい?)

一連の流れを見てもらえれば分かりますが、まずハローワークに起業する旨を伝えるまでに1ヶ月半はかかります。そこから案件を探したりするので、再就職手当が欲しければ、実際に稼働が始まるまで2ヶ月は必要だと思っていてください。

私は7月末に退職して9月中旬に起業、10月からフリーランスエンジニアとして本格的に活動を始め、12月頭に再就職手当を貰うことができました。

FAQ

私も再就職手当を貰うにあたり様々な疑問があったので、私なりに調べた事を皆さんにお伝えします。

Q1.起業の準備って具体的にどういうことを指すの?

待機期間が終了してから1ヶ月経つまでは起業の準備は許されていませんが、具体的にどういうことが「起業の準備」に当てはまるのでしょうか。

私がハローワークに確認した際は、以下のような回答でした。

「オフィスの契約等が起業準備に当てはまります。情報収集などは起業の準備には当てはまりません。」

つまり、実際に何かを契約したりお金のやり取りが発生するような事は起業の準備に当てはまるようですので、ハローワークに起業の意思を示すまでは控えるべきでしょう。

Q2.1年以内に廃業した場合に再就職手当を返還する必要はある?

1年以上の安定した雇用が見込まれる場合に支給される再就職手当。しかし、個人事業主の場合、うまく行かずに1年を待たずして廃業してしまう可能性もあります。

そのため、そういう場合は再就職手当を返還して不正受給として見なされないようにする必要があるのかハローワークに聞きましたが、

「1年以内に廃業してしまっても再就職手当を返還する必要はありません」

とのことでした。

Q3.個人事業主は就業促進定着手当を貰えますか?

最初に説明した通り、再就職手当は実際にもらえる失業手当の6,7割を貰える制度です。そのため、給付される総額は少なくなりますが、再就職した先の給料が離職前の給料よりも低い場合は、一定金額が失業保険で補填されます。この手当を「就業促進定着手当」と呼びます。

で、個人事業主の場合、自分である程度給与をコントロールできるのでこの手当を上手いこと使えないかと考える人もいると思います。しかし、個人事業主の場合は「就業促進定着手当」は貰えません。

最後に

何度かハローワークに行かないといけませんが、非課税でまとまったお金が手に入るのはかなり嬉しいです。皆さんも会社員であれば雇用保険に入っているハズだと思うので、せっかく入っている保険を無駄にせず、どんどん活用するようにしていきましょう。

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