【クソじゃないよ!】SIerには優秀な人たくさんいるし、SIerでも様々な技術を学べるって話

IT

「SIerはオワコン」
「SIerは技術レベル低い」
「SIerのプロパーはExcelできるだけで技術的な事はできない」

こんな話をネットで良く見ませんか?「色んな人が言ってるし、本当にSIerってダメなのかも、、、」って思う人もいると思います。

でもこれ、インフラエンジニアの私から言わせてもらうと、半分合ってて半分間違ってます

私も大手ではないですがSIerに在籍していた過去があり、いろんな大手SIerの方とも仕事をして来たので、その経験に基づいて話をしてみようと思います。

SIerがダメだと言われる理由

ネットで見かけるSIerのいけてない理由って大体以下のようなものだと思います。

  • 古くても良いから安定した技術を使いがち
  • 管理するだけで実際の技術は身に付かない

これはWEB業界や開発系エンジニアの視点からであれば本当だと思います。

まずSIerは顧客から仕様書を貰って、仕様通りにシステムを開発します。仕様通り動くのであれば、最新の技術を使うより少し古い安定した技術を採用する方がトラブルは少ないでしょう。仕様を満たすことが絶対であり、ユーザービリティなんかは二の次です。

またSIerではプログラマーとしての仕事は多くありません。大人数のプログラマーを管理して、プロジェクトを完了させるのが業務だからです。そのため、プログラミングスキル等は向上しないと思います。

でもインフラ構築だと違います。

インフラだと何が違うのか

そもそもインフラエンジニアとは

まず先にお断りしておきますが、私が話している「インフラエンジニア」とはWEB系のインフラエンジニアの事ではありません。

お時間がある人は下の2つの動画を見てください。1人はWeb系のエンジニアでインフラ領域もされているKENTAさん(茶髪パーマ)。もう1人は私と同業のインフラエンジニアであるyutaさん(黒髪ロン毛)。

どっちも同じ「インフラ」領域を知っているはずなのに、相手の発言を理解できていない節が多々あることに気付いた人もいると思います。

これは業界の違いによるものです。

WEB系のインフラエンジニアというのは、WEBサービスを稼働させるためにサーバを構築したり、ネットワークを構築します。扱うOSはLinuxで、クラウドだとAWSを選ぶことが多いです。

一方、私がやっているインフラの仕事は、社内(会社だけでなく、学校等の団体を含む)のICTインフラを構築する仕事です。

会社で使うITサービスってたくさんあると思います。

まずは会社で使うPCがあります。またファイルを共有するためのファイルサーバがあったりしますし、PCとサーバを繋ぐネットワークも必要です。仕事をするならメールも必要ですね。最近だとOffice365やGoogleのGsuiteを使っている会社も多いと思います。そういった業務で利用するICTインフラを構築するのが、私の言っているインフラエンジニアです。(OAインフラエンジニアとでも呼べば良いのかな?)

扱うOSとしてはLinuxよりもWindows Serverが多めです。またクラウドだと、Windows Serverとの連携部分でAWSよりもAzureが選ばれる傾向にあります。

OSや利用するクラウドサービスが違うだけでなく、文化や考え方も全然違うので、この2者はもはや別物として考えた方がいいでしょう。

これから先は後者の社内インフラ構築系のエンジニアをインフラエンジニアとして説明していきます。

SIerのインフラエンジニアは自分で手を動かす

という事で話を本題に戻しますが、SIerのインフラエンジニアは自分でサーバーやNW機器を設定して納品したりすることが普通にあります。

大手SIer一覧という表を見つけたのですが、この表のうち少なくとも9割の会社は自社でインフラエンジニアを抱えていています。

大手SIer
  • NTTデータ
  • 富士通
  • NEC
  • 三菱電機インフォメーションシステムズ
  • 日鉄ソリューションズ
  • ネットワンシステムズ
  • CTC
  • DTS
  • NSD
  • 三井情報
  • 丸紅情報システムズ
  • 日本ユニシス
  • IBM(インフラ系はIBM GTSに分社化)
  • アクセンチュア
  • HP(インフラ系はHPEに分社化)
  • 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ

実際、私もこの表の中の何社かのプロパー社員と一緒に構築作業をした経験がありますし、中には低レイヤーの仕事と思われがちなWindows10のマスター作成・展開をしている社員の方たちもいました。

皆さんとても優秀な方たちでしたね。

なので、SIerだとスキルが身に付かないというのは嘘です。一応、SIerのエンジニアの中でも、マネージメント主体の人もいれば構築メインの人もいたりするので、中にはさほどスキルがない人もいるかもしれませんが、それは本人次第かなと思います。

むしろ、SIerの人は同時にたくさんの案件を抱えているので、大きな1つの大きなプロジェクトに放り込まれるSESの社員よりもよっぽど幅広い知識・経験を携えていると思います。

SIerの方が最新の技術を使っている?

またSIerは古くて安定した技術を使いたがるという話ですが、これはSIerに限らずICTインフラ業界全体の体質です。

むしろ、大手SIerが先陣を切って最新の技術を試し、それをパートナーにシェアしていくという流れが多いので、大手SIerの方が最新技術に触れることが多いと思います。

最新技術を開発しているメーカーが最初にコンタクトを取るのも大手SIerなので、これは必然的な流れですね。

そもそも技術を身につけたい欲求って何?

そもそもの話になるんですが、技術を身につけたい理由って何なんでしょうか?自己満足?お金を稼ぎたいから?

WEB系や開発系はSIer以外の選択肢があるかもしれませんが、インフラエンジニアの場合、大手SIer以上のキャリアを望もうとしたら海外に目を向けるか、GAFA+Mのような超狭き門くらいしかないんじゃないでしょうか。

なので、万が一大手SIerに入って技術が身に付かなったとしても、別に困ることはないような気もします。

最後に

という事で、最初からプログラマー志望の人であればSIerを避けるのも良いかもしれませんが、漠然とITエンジニアになりたいと考えている人にとってはSIerは良い選択肢だと思います。業務は大変ですが給料は平均より高いです。

なので、SIerはクソだというWEB系や開発系からの一方的な意見を鵜呑みにするのではなく、こういう意見もあるということを知ってもらえたらなと思います。

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